光機能化インプラント普及への取り組みから口腔内の健康を考える

光機能化インプラントとは

光機能化は、歯のインプラント治療における成功率を飛躍的に高める新しい技術です。

インプラントの素材である二酸化チタンの性質を生かし、使用前のインプラントに光処理することで骨結合(オッセオインテグレーション)の力を向上。
2009年、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)歯学部の小川隆広教授が提唱して以来、多くの歯科医療現場に広まっています。

インプラントの光機能化とは

低下したインプラントの結合能力を回復させるのが、光機能化技術です。

そもそもインプラントとは、あごの骨に疑似的な土台を埋め込んで人工歯を取り付ける治療法です。
人体にはない素材を体内に入れ込むため、肉体との親和性が最大の課題。
光機能化の技術が広まる以前は、インプラントと骨の接触率は50~60%が限界でした。

しかし、光機能化したチタン表面の骨接触率は98.2%。人工物であるインプラントが、完璧に近い状態で体に馴染むようになるのです。

インプラントと血液の親和性を向上

光機能化で用いる特殊な光(エキシマUV)は、波長・強度・時間が最適化された複数の紫外線領域の光です。

通常、インプラントのチタン表面にはマイナスの電気が流れています。
ヒトの生体たんぱく(歯肉や血液など)もマイナスなので、反発しやすい状態。

光処理を行なうことでチタンから炭素を取り除かれ、インプラントはプラスに変化。
生体たんぱくと馴染みやすくなるという仕組みです。

骨形成のスピードを向上

またインプラントのチタン表面は、水が流れない状態=疎水性です。
それが光機能化の処理をされると、水がただちに流れる状態=超親水性に。

体内に埋めこまれたインプラントに歯周組織や血液がすばやく密着できるようになり、チタン周辺での組織や骨の形成を促進。
顎骨との結合がよりスムーズになります。

光機能化インプラントを選ぶメリット

光機能化インプラントのメリット

光機能化インプラントの特徴は、チタン面の鮮度が回復するということ。

インプラントのチタン表面は、加工直後には高い骨結合能力(90%)が認められます。しかし、時間の経過とともに結合能力はどんどん低下していきます。

とはいえ、インプラントを加工してすぐに歯科医のもとへ届けることは物理的に不可能です。
そこで光機能化によって、インプラントを加工直後のようなコンディションへ回復。
骨結合率が高い状態で、人体へ埋め込む処置を行なえるのです。

治療期間の短縮

従来のインプラント治療では、骨とチタンの結合を待つために治療完了までに長い期間が必要でした。
下顎ではおよそ半年、上あごでは1年近くの時間がかかります。

しかし人体のと親和性が高い光機能化インプラントなら、骨との接触にかかる時間はおよそ4分の1に短縮できると言われています。

強く噛める

光機能化インプラントは顎骨や歯肉に強く接着できるので、顎に強い力を加えても問題ありません。
しっかりと噛めるので、食べることの楽しみを取り戻すことができます。

良好な状態をキープできる

以前のインプラントは、10年生存が成功の目安でした。
光機能化インプラントは歯周組織との結合が強固なので、生存率の大幅な向上が期待できます。

さまざまな症状に対応できる

インプラント治療のために顎骨の造形手術が必要だった人でも、光機能化したインプラントなら外科手術が不要になるケースもあります。

光機能化の普及で、より多くの人がインプラント治療を受けられるようになりました。

口腔ケアは全身の健康に必要

精度の高い光機能化インプラントで得られるのは、食べたり飲んだり話したりといった日常での満足度。
口腔機能の向上は、QOL(生活の質)向上にも繋がるのです。

しかし歯のコンディション低下による悪影響は、食事の楽しみや見た目の問題以外だけではありません。
異物混入時の咳反射・嚥下反射の力が低下するほか、口腔内細菌の感染が全身におよぶこともあるのです。

口腔の機能低下は全身に影響する

とくに注意したいのが歯周病です。
歯周病菌は血液に乗って全身を巡り、脳梗塞や心筋梗塞、心内膜炎、動脈硬化、糖尿病、早産など、さまざまな疾患の発症リスクを高めます。

全身の健康を守るためには、今ある歯の健康を守り、できるだけ長く維持することが重要なカギなのです。

口腔内の健康と美しさを維持するために

口腔内の健康を目指す

インプラント治療によって歯を補うことは、体の健康状態を高めるだけでなく見た目の美しさ向上にも役立っています。

光機能化インプラントは治療の成功率を高めるために大きな役割を果たしますが、普段の生活でも歯やお口の健康・審美性を高めることは可能。

インプラント治療という大きな施術を受けて満足するだけでなく、セルフケアへの意識も高めていきましょう。

歯周病の予防を心がける

そもそもインプラントが必要になるのは、歯を失くしてしまうからです。
歯周病や虫歯など、歯を失う原因を見直してみましょう。

こまめな歯磨きやデンタルフロスの使用はもちろん、口腔内のバクテリアを除去するトローチやリキッドの活用もおすすめです。

歯科で扱われているうがい用の高濃度次亜塩素酸水のほか、市販や通販で購入できるプロバイオティックトローチ(オーラルハイジーン)や、歯周病ケア用のジェル(HiOra-GAジェル)などが有効です。

ホワイトニングへの関心を

歯のホワイトニングと聞くと、「歯科で施術を受けなくてはいけない」「美しさのために痛みを伴う」「高額な費用がかかる」など、ハードルが高いと感じる人もいるのではないでしょうか。
しかしホワイトニングは、実はもっと身近で手軽な口腔ケアのひとつ。
脱色(ブリーチ)だけでなく、日常生活の中で取り組めるホワイトニング方法もあります。

ホワイトニングに役立つ普段のケア

・着色しやすい食事の後はかならず歯磨きをする
・研磨剤の入った歯磨き粉を使う
・歯の再石灰化を促す歯磨き粉を使う

もっとも手軽なのは、ホワイトニングに特化した歯磨き粉を使うこと。

着色汚れが気になる場合には、リン酸水素カルシウム、炭酸水素ナトリウム、シリカ、ピロリン酸4Na、酸化チタン1など、汚れを落とすための成分が入った歯磨き粉を選びましょう。
また歯のコンディションを高めるという点で、酸化カルシウム、フッ化ナトリウムなど、歯の再石灰化をサポートする成分も大切です。

そもそも着色汚れは、コーヒーや紅茶、煙草のヤニなどの摂取が原因。
汚れが付きやすい食事や飲み物を摂ったあとは、なるべく早めに歯磨きをする習慣を。

また、歯科医で受けるホワイトニングよりも安価で、痛みの少ないセルフホワイトニングを受けられる美容サロンも広まっています。

ホワイトニングは、方法によって金額も手軽さもさまざま。
美しさを維持するためには、ライフスタイルや目的に合った方法でコンスタントに続けることが大切です。